log(1+x)のグラフの特徴は?書き方や性質も解説!(対数関数:定義域:漸近線など)
log(1+x)は、対数関数の基本形であるlog xを左へ1だけ移動した関数です。
一見すると単純な式ですが、定義域、増減、漸近線、グラフ上の通過点を正しく押さえると、答案でも迷いにくくなります。
底が省略されている場合は高校数学で扱う常用対数の底10と考えることが多いものの、底が1より大きい対数関数という共通の性質に注目すれば、自然対数でも同じ考え方を使えます。
ここではlog(1+x)のグラフを書けるようになるために、式の変形から性質、代表的な問題まで順に整理します。
log(1+x)のグラフの全体像

それではまずlog(1+x)のグラフの全体像について解説していきます。
定義域と値域
log(1+x)を考えるとき、最初に確認したいのは真数である1+xが正でなければならないという条件です。
対数log AはAが正のときだけ定義されるため、1+x>0を満たす必要があります。
1+x>0
x>-1
したがって定義域はx>-1です。
x=-1では真数が0になり、対数を取れません。
xが-1より小さい範囲では真数が負になるため、実数の範囲ではグラフそのものが存在しない点にも注意が必要です。
一方、y=log(1+x)の値は、x>-1の範囲でどの実数にもなれます。
そのため値域はすべての実数です。
xが-1に限りなく近づくとyは限りなく小さくなり、反対にxを大きくするとyも際限なく大きくなります。
通過点と増え方
x=0を代入するとlog 1=0となるので、グラフは原点を必ず通過します。
これは、log xのグラフが点(1,0)を通ることと対応しています。
また、底が1より大きいとき、真数1+xはxの増加とともに大きくなるため、log(1+x)も単調に増加します。
ただし、直線のように同じ割合で上がるわけではありません。
xが大きくなるほど増加の勢いは緩やかになり、右へ進むほど寝た形になります。
log(1+x)はx>-1で連続し、右上がりに増加します。
ただし増加量は次第に小さくなるため、グラフは上に行くほど緩やかな曲線になります。
この特徴は、対数関数が大きな数の差を圧縮して表す性質ともつながっています。
漸近線とグラフの端
xを-1より大きい側から近づけると、1+xは0に限りなく近づきます。
0に近い正の数の対数は非常に小さくなるため、log(1+x)は負の無限大へ向かいます。
このときグラフは直線x=-1に限りなく近づきますが、交わることはありません。
したがってx=-1が垂直漸近線です。
漸近線はグラフを描く際の重要な目印になります。
左端を適当に丸めて描くのではなく、x=-1の少し右側で急激に下がる曲線として表すと、対数関数らしい形が伝わります。
基本形log xからの平行移動
続いては基本形log xからの平行移動を確認していきます。
横方向への移動
y=log(1+x)は、y=log xのxをx+1に置き換えた式です。
関数y=f(x+1)は、y=f(x)のグラフを左へ1だけ平行移動したものになります。
よってlog xのグラフを左へ1動かせば、log(1+x)のグラフが完成します。
log xの定義域はx>0で、垂直漸近線はx=0です。
これらを左へ1移動すると、定義域はx>-1、漸近線はx=-1になります。
| 比較する項目 | y=log x | y=log(1+x) |
|---|---|---|
| 定義域 | x>0 | x>-1 |
| 垂直漸近線 | x=0 | x=-1 |
| x軸との交点 | (1,0) | (0,0) |
| 変換 | 基本形 | 左へ1移動 |
式だけを見て新しい関数として覚えるより、元のグラフの移動として捉えるほうが、定義域と交点をまとめて判断できます。
式と座標の対応
基本形y=log x上の点(a,log a)を考えます。
この点を左へ1移動すると、x座標だけが1小さくなり、(a-1,log a)になります。
新しいx座標をtとするとa=t+1なので、y=log(t+1)です。
y=log x上の点(1,0)は、左へ1移動して(0,0)になります。
y=log x上の点(10,1)は、左へ1移動して(9,1)になります。
y=log x上の点(0.1,-1)は、左へ1移動して(-0.9,-1)になります。
この対応を使うと、方眼紙にグラフを書くときの基準点を素早く取れます。
特に(-0.9,-1)は漸近線の近くにあるため、左側の曲がり方を描く助けになります。
混同しやすいlog(x+1)とlog x+1
log(x+1)とlog x+1は見た目が似ていますが、まったく別の関数です。
log(x+1)は真数全体に1を足しているため、log xを左へ1移動したグラフになります。
一方のlog x+1は、対数の値に1を加えた式です。
こちらはlog xのグラフを上へ1だけ平行移動したものです。
括弧の内側にある+1は横方向の移動に関係します。
対数の外側にある+1は縦方向の移動に関係します。
たとえばlog(x+1)は原点を通りますが、log x+1は(1,1)を通ります。
定義域も前者はx>-1、後者はx>0となるため、グラフを書く前に括弧の位置を確認しましょう。
定義域と対数関数の性質
続いては定義域と対数関数の性質を確認していきます。
真数条件の考え方
対数関数では、真数が正であることが絶対条件です。
log(1+x)なら1+x>0、log(3-2x)なら3-2x>0という不等式を先に解きます。
この作業を後回しにすると、存在しない範囲に点を打ってしまうことがあります。
定義域はグラフの描き始めと描き終わりを決める情報でもあります。
log(1+x)ではx=-1より左側に曲線を描かないことが、最も基本的な注意点です。
また、x=-1を含むかどうかも重要です。
不等号はx>-1であり、x≧-1ではありません。
底による増減の違い
logの底をaとすると、a>1の場合と0<a<1の場合ではグラフの向きが変わります。
高校数学でlogとだけ書かれている場合、通常は底10であり10>1なので右上がりです。
自然対数ln(1+x)も底eが1より大きいため、同じく右上がりになります。
しかし、たとえば底が1/2のlogのときは、xが増えるほど関数値が小さくなる右下がりの曲線です。
| 底aの範囲 | y=log a(1+x)の増減 | x=-1付近の様子 |
|---|---|---|
| a>1 | 右上がり | 負の無限大へ向かう |
| 0<a<1 | 右下がり | 正の無限大へ向かう |
底が変わっても、定義域x>-1と漸近線x=-1は変わりません。
変わるのは主に増減の方向と、グラフの上下の向きです。
加法定理との関係
log(1+x)は、対数の加法定理を意識する問題にも登場します。
ただし、1+xをlog 1+log xのように分けることはできません。
対数の性質で分けられるのは積や商であり、和や差ではありません。
log AB=log A+log B
log A/B=log A-log B
log(A+B)をlog A+log Bにすることはできません。
この誤りは式変形だけでなく、グラフの理解にも影響します。
log(1+x)をlog xと同じ定義域だと思い込むと、x=0付近の様子を誤ってしまうでしょう。
和の形はそのまま真数として扱うことが基本です。
グラフの書き方と代表点
続いてはグラフの書き方と代表点を確認していきます。
書く順番
グラフは、漸近線、通過点、曲線の向きという順番で描くと安定します。
まずx=-1に縦の補助線を引き、ここが漸近線であることを示します。
次に原点(0,0)を打ちます。
その後、x=9ならy=1、x=-0.9ならy=-1となる点を追加すれば、曲線の位置関係が見えやすくなります。
グラフ作成の目安は漸近線x=-1、原点(0,0)、点(9,1)、点(-0.9,-1)です。
これらの点を通るように、漸近線には交わらない滑らかな曲線を描きます。
右側ほどゆっくり上がる形を意識すると、直線的な図になるのを防げます。
常用対数で使いやすい点
常用対数では、真数が10の累乗になる点を選ぶと値を計算しやすくなります。
1+x=1ならx=0でy=0です。
1+x=10ならx=9でy=1になります。
1+x=100ならx=99でy=2です。
逆に1+x=0.1ならx=-0.9でy=-1となります。
| xの値 | 1+xの値 | y=log(1+x) |
|---|---|---|
| -0.99 | 0.01 | -2 |
| -0.9 | 0.1 | -1 |
| 0 | 1 | 0 |
| 9 | 10 | 1 |
| 99 | 100 | 2 |
点を増やしすぎる必要はありませんが、負の側と正の側に少なくとも一つずつ点を置くと、曲線の雰囲気を正確に表せます。
x=-1の近くでは値が急に下がることも、表から読み取れるはずです。
接線と傾きの感覚
より発展的には、自然対数ln(1+x)の微分を使うと、傾きは1/(1+x)になります。
x>-1では分母が正なので、傾きは常に正です。
そのためグラフが右上がりであることを、微分からも確認できます。
さらにxが大きくなるほど1/(1+x)は小さくなるため、グラフは次第に緩やかになります。
x=0では傾きが1となり、原点付近ではy=xに近い形です。
ただしこれは自然対数の場合の傾きであり、常用対数では定数倍の違いが生まれます。
それでも、原点付近で曲線が急すぎず、右へ行くと緩やかになるという見通しは共通しています。
不等式と方程式への活用
続いては不等式と方程式への活用を確認していきます。
方程式log(1+x)=k
log(1+x)=kを解くときは、対数の定義に戻して真数を底のべき乗で表します。
常用対数なら1+x=10のk乗となります。
log(1+x)=k
1+x=10のk乗
x=10のk乗-1
たとえばlog(1+x)=2ならx=99です。
グラフで見ると、水平線y=2と曲線y=log(1+x)の交点のx座標を求めていることになります。
右上がりで連続なグラフなので、どの実数kに対しても解は一つだけです。
不等式の向き
底が10のように1より大きい場合、対数関数は増加関数です。
したがってlog(1+x)>log 3は、1+x>3と同値になります。
そこからx>2を得られます。
一方、底が0と1の間なら関数は減少するため、不等号の向きが反転します。
不等式では底が1より大きいかを必ず確認することが欠かせません。
常用対数では増加関数なので、真数どうしの大小関係をそのまま比べられます。
ただし比較する真数はどちらも正でなければなりません。
log(1+x)>0なら、log 1=0を利用して1+x>1と考えられます。
答えはx>0となり、原点より右でグラフがx軸より上にあることとも一致します。
他の関数との交点
y=log(1+x)とy=xの交点を考えると、少なくとも原点は共通します。
自然対数ln(1+x)では、x>-1の範囲でln(1+x)≦xという有名な関係があります。
これは原点で接し、そのほかの部分では曲線が直線y=xの下側に位置することを表します。
常用対数では傾きがさらに小さいため、原点付近でもy=xより緩やかな上がり方です。
交点問題では式だけで解こうとせず、定義域、漸近線、増減を先に図として想像すると、解の個数を判断しやすくなります。
学習で押さえたい注意点
続いては学習で押さえたい注意点を確認していきます。
真数を0以下にしない確認
log(1+x)にx=-1を代入してlog 0と書くのは誤りです。
log 0は0ではなく、実数の範囲で定義されません。
x=-1より小さい値では真数が負になり、やはり計算できません。
漸近線を通ると誤解しないように、補助線と曲線の間にわずかな空間を残して描くとよいでしょう。
対数関数のグラフは漸近線に限りなく近づいても到達しません。
底の表記を読み分ける習慣
数学の文脈によっては、logが常用対数ではなく一般の底aの対数を表すことがあります。
また、lnは自然対数、logの右下に数字が付く表記は特定の底を意味します。
グラフの定義域と漸近線は真数から決まりますが、右上がりか右下がりかは底によって変わります。
問題文に底の指定があれば、最初にa>1か0<a<1かを判定しましょう。
この一手で、不等式の向きや極限の向きまで整います。
近似式との使い分け
自然対数ln(1+x)は、xが0に近いときln(1+x)≒xと近似できます。
これは微小な変化を扱う物理や統計、経済の計算でもよく使われる関係です。
ただし近似はxが十分小さいときに役立つ考え方であり、x=9のような大きい値までそのまま使うものではありません。
グラフを見れば、原点付近では直線に近く、原点から離れるほど差が広がることが理解できます。
正確な関数値と原点付近の近似値は区別することが大切です。
まとめ
log(1+x)は、基本形y=log xを左へ1だけ平行移動した対数関数です。
定義域はx>-1で、直線x=-1が垂直漸近線になります。
常用対数や自然対数のように底が1より大きい場合、グラフは原点を通り、右上がりに増加します。
書くときは、漸近線x=-1、原点(0,0)、代表点(9,1)を押さえると形を整えやすいでしょう。
真数条件を最初に確認し、log(x+1)とlog x+1を区別すれば、グラフ、方程式、不等式の問題に一貫して対応できます。