エクセルで作成した資料に図形や画像、テキストボックスが増えると、目的のオブジェクトだけを選択する作業に時間がかかります。
ドラッグしてもセルの範囲選択になったり、背面の図形をクリックできなかったりして、思うように操作できない場面もあるでしょう。
図形の複数選択、一括削除、グループ化には、それぞれ適した選択方法があります。
図形をまとめて扱うポイントは、複数選択にはCtrlキー、見つけにくい図形には選択ウィンドウ、同じ動きをさせる図形にはグループ化を使い分けることです。
この記事では、セルを誤って選ばずに図形の範囲を選択する基本操作から、大量の図形を整理する実践的な方法まで解説します。
操作前にブックを保存しておくと、誤って一括削除した場合にも安心です。
エクセルで図形を複数選択する方法
それではまず、複数の図形を選択する基本操作について解説していきます。
| A | B | C | D |
|---|---|---|---|
| 1 | 四半期売上 | ||
| 2 | ■ 目標 | ● 実績 | |
| 3 | 図形A | 図形B | 図形C |
Ctrlキーを押しながら個別にクリックする操作
複数の離れた図形を選びたい場合は、最初の図形をクリックした後、Ctrlキーを押したまま次の図形をクリックします。
Ctrlキーを押している間は、すでに選択した図形を残したまま選択対象を追加できます。
たとえば、見出し用の四角形、矢印、注釈用の吹き出しを一緒に移動したい場合に便利です。

図形の周囲に白い丸や四角のハンドルが表示されれば、その図形は選択済みです。
Ctrlキーを押したまま選択済みの図形をもう一度クリックすると、その図形だけを選択状態から外せます。
選択を追加しすぎた場合でも、最初からやり直す必要はありません。
ただし、セルではなく図形の輪郭や塗りつぶし部分をクリックすることが大切です。
図形内に文字がある場合は、文字の編集状態にならないよう、図形の枠線付近をクリックすると安定します。
【操作のポイント】Ctrlキーを離してから図形をクリックすると、複数選択が解除されて新しい図形だけが選択されます。
ドラッグで囲んで範囲選択する操作
近い場所に配置された図形をまとめて選ぶなら、マウスポインターをシートの空白部分へ置き、対象を囲むようにドラッグします。
選択範囲の中に完全に入った図形だけが選択されるため、枠は少し余裕を持って広げるのがコツです。
選択したい図形の一部がドラッグ範囲からはみ出すと、期待した図形が選択されないことがあります。

セルの上でドラッグを始めると、図形ではなくセル範囲の選択になる場合があります。
その場合は図形が置かれていない余白からドラッグを開始するか、いったんEscキーでセル選択を解除してください。
ドラッグ選択は、工程図や組織図のように、複数の図形が一か所に集まっているシートで特に役立ちます。
選択後は、矢印キーで位置を微調整したり、図形の書式タブから色や枠線をまとめて変更したりできます。
【操作のポイント】図形を囲む枠を少し大きめに描くと、端にある矢印や小さなアイコンも選択しやすくなります。
CtrlキーとShiftキーを使い分ける操作
図形を複数選択した状態で、選択範囲を維持したまま別の図形を加えるときにもCtrlキーを使います。
一方で、図形の縦横比を保ちながらサイズ変更したい場合にはShiftキーが役立ちます。
複数選択の追加はCtrlキー、正円や正方形を保った拡大縮小はShiftキーという役割分担です。
たとえば複数の丸印をまとめて大きくする場合、まずCtrlキーで丸印を選択し、角のハンドルをShiftキーを押しながらドラッグします。
複数の図形の大きさをそろえる操作では、図形の書式タブにあるサイズ欄へ数値を入力する方法もあります。
位置とサイズの両方を整えることで、表やグラフに添えた図形が読みやすくなります。
図形の選択がうまくいかないときは、Escキーを一度押して編集状態を終了し、図形の枠線をクリックし直すと改善することがあります。
【操作のポイント】複数選択中に矢印キーを使うと、選択したすべての図形を同じ量だけ移動できます。
ホームタブから図形を一括選択する操作
続いては、シート上の図形をまとめて選択する機能を確認していきます。
| A | B | C | D |
|---|---|---|---|
| 1 | 図形 | 画像 | テキストボックス |
| 2 | 選択対象 | 選択対象 | 選択対象 |
検索と選択からオブジェクトを選択する操作
図形が多数あり、ドラッグでは選びにくいときは、ホームタブの編集グループにある検索と選択を利用します。
検索と選択をクリックし、表示された一覧からオブジェクトの選択と選択を実行します。
オブジェクトの選択を有効にすると、セルではなく図形、画像、テキストボックスを優先して操作しやすくなります。

この状態でシート上をドラッグすると、図形を囲む範囲選択を行えます。
通常のドラッグでセルが選ばれてしまう場面では、先にこの機能を有効にすると作業が進めやすくなります。
操作が終わった後は、通常どおりセルをクリックすればセル編集へ戻れます。
図形が密集した報告書や、入力用のボタンを配置した帳票で活用しやすい方法です。
【操作のポイント】オブジェクトの選択を使う前に、保護されたシートではないか確認しておくと操作の行き違いを防げます。
すべてのオブジェクトを一度に選択する操作

シート内の図形をすべて削除したい、あるいは全体の書式を確認したい場合は、オブジェクトの選択後にCtrlキーとAキーを押します。
図形を選択できる状態でCtrlキーとAキーを押すと、シートにある複数のオブジェクトを一括選択できる場合があります。
ただし、表やセルの内容まで削除したくない場合は、選択状態を十分に確認してから操作しましょう。
グラフ、画像、SmartArt、テキストボックスなどが同じシートにあるときは、すべてが選択対象になる可能性があります。
意図しないオブジェクトが含まれた場合は、Ctrlキーを押しながらクリックして対象から外します。
一括選択した後は、Deleteキーで削除するほか、配置の整列や前面へ移動といった書式設定にも利用できます。
【操作のポイント】削除前には、数式バーの近くや図形の周囲に表示される選択ハンドルを確認し、必要な画像まで含まれていないか見直します。
ジャンプ機能でオブジェクトを抽出する操作
ホームタブの検索と選択には、条件を選択してジャンプという機能もあります。
この機能では、数式やコメントなどのセル条件だけでなく、オブジェクトを対象にして選択できる場合があります。
セルのデータを残したまま図形だけを対象にしたいときは、条件を選択してジャンプが候補になります。
リボンから検索と選択を開き、条件を選択してジャンプを選び、オブジェクトを指定して実行します。
図形の数が多いブックでは、手作業で一つずつ探すよりも短時間で対象を把握できます。
ただし、Excelのバージョンやシート内のオブジェクトの種類によって、選択結果が異なることがあります。
一括選択の直後にDeleteキーを押すと元に戻す必要が生じます。削除目的でない場合は、まず図形の書式タブが表示されることを確認してから次の操作へ進みましょう。
【操作のポイント】ジャンプ機能は選択だけに使い、削除や移動を行う前にはCtrlキーとZキーで戻せる状態か確認します。
選択ウィンドウで重なった図形を選ぶ方法
続いては、重なってクリックできない図形を選択ウィンドウから指定する方法を確認していきます。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 1 | 背面の四角形 | 前面の矢印 |
| 2 | 図形 3 | 図形 4 |
選択ウィンドウを表示する操作
図形が何層にも重なっている場合は、ホームタブの検索と選択から選択ウィンドウを開きます。
右側に一覧が表示され、シート内の図形、画像、テキストボックスなどを名前で確認できます。
選択ウィンドウでは画面上で見えない背面の図形も、一覧から直接選択できます。
一覧の項目をクリックすると、該当する図形に選択ハンドルが表示されます。
一覧に表示される初期名は図形 1、四角形 2のような名称になりやすいため、対象を選びながら確認するとよいでしょう。
【操作のポイント】選択ウィンドウは、重なった図形を選ぶだけでなく、図形の数や配置順を把握する用途にも使えます。
目のアイコンで図形を表示または非表示にする操作
選択ウィンドウの各項目には、表示と非表示を切り替える目のアイコンがあります。
前面の図形を一時的に非表示にすれば、隠れていた図形を見つけて編集できます。
背景用の大きな四角形が邪魔をしている場合は、その項目の目のアイコンをクリックして非表示にします。
この操作は削除ではないため、再度目のアイコンをクリックすれば元の表示へ戻ります。
作成途中の図や、複数案を同じシートに置いて比較している場合にも便利です。
非表示のまま印刷すると図形が出力されないことがあるため、作業終了後は一覧の状態を確認してください。
目のアイコンでの非表示は、図形の選択をしやすくするための一時的な整理方法です。不要な図形を消す操作とは区別して使いましょう。
【操作のポイント】画面に見えている図形をクリックできないときは、上に重なった図形を一度非表示にして原因を切り分けます。
図形の名前を変更して管理する操作
選択ウィンドウでは、一覧の名前をダブルクリックして図形名を変更できます。
たとえば、四角形 1を売上見出し、矢印 2を前年比矢印のように変えると、後から探す時間を減らせます。
図形名を内容に合わせて付け直すと、複数選択やVBAでの参照が分かりやすくなります。
同じ種類の図形が多い場合は、月別見出し、担当者アイコン、注意書きのように用途で統一すると管理しやすくなります。
名前の変更は画面の見た目には影響しないため、レイアウトを崩さずに整理できる点も特徴です。
選択ウィンドウの順番は図形の重なり順と関係するため、前面と背面の関係を判断する目安にもなります。
【操作のポイント】名前を付けるときは、後で見ても分かる短い名称に統一し、同じ名前を繰り返さないようにします。
選択した図形を一括削除する手順
続いては、不要になった図形を安全に一括削除する手順を確認していきます。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 1 | 残すデータ | 削除する図形 |
| 2 | 売上 120 | 不要な吹き出し |
Deleteキーで選択した図形だけを削除する操作
複数の図形を選択した後、Deleteキーを押すと、選択されている図形をまとめて削除できます。
セルの文字や数式は、図形が選択されている状態でDeleteキーを押しても通常は削除対象になりません。
ただし、セルが選択されている状態ではセル内容が消えるため、図形のハンドルが表示されていることを必ず確認してください。
削除後に誤りへ気付いたら、すぐにCtrlキーとZキーを押して元に戻します。
ほかの編集操作を続けると、元に戻せる履歴が分かりにくくなることがあります。
【操作のポイント】削除前に選択ハンドルの数を確認すると、残すべき図形を誤って含めるリスクを下げられます。
選択ウィンドウから不要な図形を絞り込む操作
背景、ロゴ、画像を残し、特定の注釈だけを削除したい場合は選択ウィンドウを使うと安全です。
一覧から不要な図形名をCtrlキーで複数選択し、シート側で選択状態になったことを確認してDeleteキーを押します。
名前を変更してある図形なら、画面で探しにくい図形でも削除対象を判断しやすくなります。
削除前に目のアイコンで一時的に非表示にし、本当に不要な要素かを確認する方法も有効です。
特にテンプレートからコピーしたシートでは、見えにくい図形や古い注釈が残っていることがあります。
【操作のポイント】削除する候補をいったん非表示にしてレイアウトを確認すると、必要な図形を残しやすくなります。
シート全体の図形を削除する際の注意点
すべての図形を選択して削除する方法は、空白のテンプレートを作り直すときに便利です。
一方で、図形に見える要素の中には、画像、グラフ、入力用ボタン、コメントのように残すべきものが含まれる場合があります。
シート全体を整理する前には、対象のシートを複製してバックアップ用シートを作っておくと、削除後の比較や復元がしやすくなります。
図形を削除してもセルの値、数式、表示形式は通常そのまま残ります。
ただし、図形の上に重ねていた説明文や手順番号は失われるため、印刷レイアウトも確認しましょう。
【操作のポイント】不要な図形の一括削除は、保存前に印刷プレビューを開いて資料の見た目を確認すると安心です。
複数図形をグループ化する手順
続いては、複数の図形を一つの部品のように扱うグループ化を確認していきます。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 1 | 四角形 | 矢印 |
| 2 | グループ化後は一緒に移動 | |
図形の書式タブからグループ化する操作
グループ化したい図形をCtrlキーで複数選択すると、リボンに図形の書式タブが表示されます。
配置グループのグループ化を選び、さらにグループ化を実行します。
グループ化した図形は、移動、拡大縮小、回転を一つのオブジェクトとして行えます。
フローチャートの箱と矢印、色付きの見出しとその装飾など、常に一緒に動かす要素に向いています。
グループ化後は全体の外側に一つの選択枠が付き、部品ごとのハンドルは通常表示されません。
【操作のポイント】グループ化する前に図形の位置関係を整えておくと、後の修正回数を減らせます。
右クリックメニューからグループ化する操作
複数の図形を選択した状態で右クリックし、グループ化の項目からグループ化を選ぶ方法もあります。
リボンが折りたたまれている場合や、マウス操作で作業を続けたいときに使いやすい手順です。
グループ化の項目が選べない場合は、一つしか図形を選択していない、または選択対象にグループ化できない要素が含まれている可能性があります。
画像と図形は組み合わせられることがありますが、シート上のセルそのものはグループ化できません。
グラフなどの一部オブジェクトは、図形と同じように扱えない場合があります。
【操作のポイント】右クリック前にCtrlキーを離すと、選択中の図形を維持したままメニューを開けます。
グループ解除と個別編集の操作
グループ化した後で一部の文字や色を変更したい場合は、グループを選択してからもう一度対象の図形をクリックします。
これにより、グループ内の一つの図形を個別に選択できることがあります。
大きな修正をする場合は、図形の書式タブまたは右クリックメニューからグループ解除を実行し、編集後に再度グループ化すると確実です。
グループ解除すると、元の図形ごとに選択や移動ができる状態へ戻ります。
グループ化は図形を結合する処理ではないため、解除しても元の各図形の色、文字、サイズは保持されます。
【操作のポイント】個別編集が頻繁に必要な図形は、完成するまでグループ化せず、最後にまとめると作業しやすくなります。
図形選択で起こりやすいトラブルの対処
続いては、図形を選べない、動かせないといったトラブルへの対処を確認していきます。
| 状況 | 確認する内容 |
|---|---|
| 図形をクリックできない | 選択ウィンドウと重なり順 |
| 移動できない | シート保護と編集状態 |
背面にある図形を選べない場合の確認
前面の図形が広い範囲を覆っていると、背面にある図形を直接クリックできません。
この場合は選択ウィンドウを開き、背面の図形名を一覧から選択します。
前面の図形を一時的に非表示にするか、前面へ移動と背面へ移動の機能で重なり順を調整する方法もあります。
クリックで選べない図形は、選択ウィンドウを使えば画面上の重なりを避けて選択できます。
透明な図形もクリックを妨げることがあるため、見た目に何もない場所でも図形一覧を確認する価値があります。
【操作のポイント】透明な背景図形を残す必要がある場合は、選択ウィンドウで名前を付けておくと誤操作を防ぎやすくなります。
図形を移動または削除できない場合の確認
図形を選択できても移動や削除ができない場合は、シート保護が設定されている可能性があります。
校閲タブからシート保護の状態を確認し、権限がある場合は保護を解除して操作します。
共有ファイルでは、ほかの利用者が編集していることや、閲覧モードで開いていることも原因になります。
また、図形内の文字を編集中の場合は、Escキーを押して文字入力状態を終えてから操作してください。
ファイル形式が古い場合や、互換モードの場合には、保存形式を確認することも有効です。
【操作のポイント】保護を解除する際は、シート内の数式や入力規則への影響を確認し、必要なら管理者へ確認します。
セルと図形の選択が切り替わらない場合の確認
セル範囲の選択になってしまうときは、図形の塗りつぶし部分または外枠を意識してクリックします。
細い線や小さな矢印は選択しにくいため、ズームを拡大して操作すると成功しやすくなります。
表示タブからズームを調整し、図形を見やすい大きさにしてから選択するのも実用的です。
図形の編集状態を終了するEscキー、複数選択のCtrlキー、操作を戻すCtrlキーとZキーを覚えると、選択時の迷いを減らせます。
複雑なシートでは、不要な図形を一時的に非表示にし、作業する範囲だけを見やすくする工夫も効果的です。
【操作のポイント】クリックが難しい小さな図形は、ズームを拡大してから選択し、選択ウィンドウで名称も確認します。
まとめ エクセルで図形の範囲を選択する方法(グループ化・一括削除・複数選択)
エクセルで図形の範囲を選択するには、離れた図形ならCtrlキーを押しながらクリックし、近い図形なら空白部分からドラッグして囲む方法が基本です。
図形が多いシートや、セル選択と図形選択が混同しやすい場面では、ホームタブの検索と選択にあるオブジェクトの選択や選択ウィンドウが役立ちます。
重なった図形の操作には選択ウィンドウ、不要な図形の整理には一括選択とDeleteキー、レイアウト維持にはグループ化が有効です。
一括削除を行う前には、必要な画像、グラフ、入力用のボタンが選択に含まれていないかを確認しましょう。
図形をグループ化すると、複数の部品を一つのまとまりとして移動や拡大縮小できるため、資料のレイアウトを整えやすくなります。
選択しにくい図形があるときは、ズーム、重なり順、シート保護の状態を順番に見直すと原因を切り分けられます。
目的に合う選択方法を使い分け、見やすく編集しやすいエクセル資料を作っていきましょう。