エクセルで数値のルートを計算したいときは、平方根を求めるSQRT関数や、数値を二乗する演算子を使うと効率的です。
たとえば、面積から一辺の長さを算出する作業、標準偏差などの統計計算、距離や誤差を確認する場面では、平方根と二乗の計算式が役立ちます。
手計算では入力ミスが起こりやすい式でも、セル参照を使えば元データの変更に連動して結果を更新できます。
平方根はSQRT関数で計算でき、二乗はセル番地の後ろに^2を付けて計算できます。
データが1行目に見出しとして入力されている場合、実際の計算は2行目から開始します。
この記事では、エクセルでルートを求める基本式、二乗との関係、応用的な入力方法、エラーへの対処までを順に確認します。
数式バーへの入力例とサンプルデータを見ながら、日常業務でも使いやすい形に整えていきましょう。
エクセルで平方根を求めるSQRT関数の入力方法
それではまず、エクセルで正の数の平方根を求める基本的なSQRT関数について解説していきます。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 1 | 元の数 | 平方根 |
| 2 | 144 | =SQRT(B2) |
| 3 | 81 | =SQRT(B3) |
SQRT関数の基本構文
SQRT関数は、指定した数値の平方根を返す関数です。
SQRT関数の書式
=SQRT(数値)
数値には直接数を入力するほか、計算したい値が入ったセル番地や、別の関数を使った計算式を指定できます。
たとえばB2セルに144が入力されている場合、C2セルへ=SQRT(B2)と入力すると、結果として12が表示されます。
平方根とは、同じ数を二回掛けたときに元の数になる値です。
144の場合は12×12が144になるため、平方根は12となります。
セル内で関数を使うときは、必ず先頭に半角のイコールを入力しましょう。
イコールを忘れると、エクセルは数式ではなく文字列として扱う可能性があります。
関数名の大文字と小文字は結果に影響しませんが、SQRTのように大文字で入力すると数式を見返した際に判別しやすくなります。
数式を確定した後にC2セルを選択すると、ワークシート上には計算結果が表示され、数式バーには=SQRT(B2)という式が確認できます。
元の数が変更されれば、平方根の結果も自動で再計算される仕組みです。
【操作のポイント】SQRT関数では、数値を含むセルをクリックして引数に指定すると、セル番地を手入力するより参照ミスを減らせます。
セル参照とオートフィルの利用
複数行に並ぶデータの平方根をまとめて求める場合は、最初のセルに式を入力してからオートフィルを利用します。
サンプルでは1行目が見出しなので、C2セルに=SQRT(B2)を入力します。
Enterキーで確定したら、C2セル右下の小さな四角形であるフィルハンドルにマウスポインターを合わせます。
ポインターの形が細い十字に変わったら、データがある最終行まで下方向へドラッグしましょう。
するとC3セルには=SQRT(B3)、C4セルには=SQRT(B4)というように、行番号だけが自動的に変化した式がコピーされます。
このセル参照は相対参照であり、数式をコピーした位置に合わせて参照先が変わる性質があります。
データ件数が多い場合は、フィルハンドルをダブルクリックする方法も便利です。
隣接するB列に連続したデータがあると、エクセルがデータの終わりを判断して数式を下方へ自動コピーします。
途中に空白セルがあると期待した位置までコピーされないことがあるため、結果列の範囲は最後に確認したいところです。
入力例
B2に144、B3に81、B4に49を入力し、C2に=SQRT(B2)を入力してオートフィルすると、C列には12、9、7が表示されます。
【操作のポイント】最初の数式はデータの先頭行である2行目に入力し、見出しがある1行目には数式を入れないようにします。
平方根の結果に小数が出る場合
平方根は常に整数になるとは限りません。
たとえばB2セルに2を入力して=SQRT(B2)を実行すると、結果は約1.414213562と表示されます。
計算そのものは正しくても、小数点以下の桁数が多いと表が読みにくく感じるかもしれません。
その場合は、ホームタブの小数点以下の表示桁数を減らすボタンを使うか、ROUND関数で計算結果を丸めます。
小数第2位までに丸める数式
=ROUND(SQRT(B2),2)
この式では、まずSQRT(B2)で平方根を求め、その結果をROUND関数で小数第2位までに整えます。
表示形式だけを変える方法とROUND関数で値自体を丸める方法では、後続の計算に与える影響が異なります。
見た目だけを整えたいなら表示形式、丸め後の値を使って別の計算をしたいならROUND関数を選ぶとよいでしょう。
小数を含む結果は誤りではなく、平方根の性質による自然な計算結果です。
【操作のポイント】提出資料で桁数を統一したいときは、計算前に丸めるのではなく、必要な精度を確認してから表示形式またはROUND関数を使い分けます。
エクセルで二乗を計算する演算子とPOWER関数
続いては、平方根と対になる二乗の計算式を確認していきます。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 1 | 元の数 | 二乗 |
| 2 | 12 | =B2^2 |
| 3 | 9 | =B3^2 |
キャレット記号による二乗計算
エクセルで二乗を求めるもっとも簡潔な方法は、数値またはセル番地の後ろにキャレット記号と2を記述することです。
二乗の基本式
=B2^2
B2セルに12が入っている場合、この数式の結果は144です。
キャレット記号はキーボードの環境によって入力位置が異なりますが、日本語配列のWindows PCでは、一般にへ記号と同じキーで入力できます。
入力できない場合は、数式バーへコピーして貼り付ける方法もあります。
^2は二乗を意味し、^3とすれば三乗、^4とすれば四乗を計算できます。
なお、B2^2はB2セルの数値を二回掛ける意味であり、=B2*B2と同じ結果になります。
二乗だと分かりやすく短く書けるため、数式を後で確認する機会が多い表では=B2^2が使いやすいでしょう。
マイナスの数を二乗する場合も、セル参照を使えば通常どおり計算できます。
たとえばB2セルが-5なら、=B2^2の結果は25です。
【操作のポイント】負の値を直接式に書く場合は=-5^2ではなく=(-5)^2のように括弧を付けると、演算の順序を明確にできます。
POWER関数による指数計算
POWER関数は、指定した数値を指定した指数で累乗するための関数です。
POWER関数の書式
=POWER(数値,指数)
二乗を計算するなら、B2セルを対象として=POWER(B2,2)と入力します。
結果は=B2^2と同じですが、数式を初めて見る人にも、数値と指数の関係が読み取りやすい形です。
三乗なら=POWER(B2,3)、四乗なら=POWER(B2,4)と、第二引数だけを変更できます。
POWER関数は、指数がセルに入力されている場合にも扱いやすい方法です。
たとえばC1セルに指数として2を入力しておき、D2セルに=POWER(B2,$C$1)と入力すれば、C1の値を3へ変えるだけで三乗計算へ切り替えられます。
このとき$C$1のようにドル記号を付けると、オートフィルしても指数を入力したセルがずれません。
計算条件を表の上部にまとめたい業務用シートでは、POWER関数と絶対参照の組み合わせが便利です。
【操作のポイント】指数を固定の数値として書くなら^2、指数を条件セルで管理するならPOWER関数を選ぶと、数式の意図を伝えやすくなります。
二乗と平方根の逆算関係
二乗と平方根は、互いに逆の関係にある計算です。
たとえば12を二乗すると144になり、144の平方根をSQRT関数で求めると12になります。
ただし、二乗した結果が同じでも、元の数は正と負の二通り存在する点には注意が必要です。
5の二乗も-5の二乗も25ですが、=SQRT(25)が返す値は5です。
エクセルのSQRT関数は、平方根として正の値を返します。
元の値が正か負かを区別したい計算では、平方根だけでは情報が足りないことがあります。
たとえば誤差の大きさを求める用途では正の平方根だけで十分でも、変位の方向まで管理する用途では、元の符号を別の列で保存する必要があります。
二乗と平方根を一組の処理として使うときは、何を表したい数値なのかを確認する姿勢が大切です。
検算の例
B2に12、C2に=B2^2、D2に=SQRT(C2)を入力すると、D2には12が表示されます。
【操作のポイント】平方根で元の値を復元する計算では、負の値もあり得るかを先に確認し、必要なら符号を別途扱います。
エクセルでルートを計算する数式バーとオートフィル操作
続いては、実際のワークシートで数式を入力し、複数行へ展開する流れを確認していきます。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 1 | 面積 | 一辺の長さ |
| 2 | 225 | =SQRT(B2) |
| 3 | 400 | =SQRT(B3) |
数式バーへのSQRT関数入力
数式バーを使うと、長い数式でも入力内容を確認しながら編集できます。
最初に結果を表示したいC2セルをクリックし、数式バーに=SQRT(B2)と入力します。
数式バーの左にある名前ボックスでは、現在選択しているセル番地を確認できます。
Enterキーを押すとC2セルに15が表示され、数式そのものは数式バーに残ります。
セル上に表示されるのは結果であり、編集時に見るべき内容は数式バーです。
計算結果が想定と違う場合は、数式バーで参照先がB2になっているか、関数名に誤字がないかを確認しましょう。
【操作のポイント】数式を修正するときは、対象セルをダブルクリックする方法より、数式バーをクリックする方法のほうが全体を見渡しやすい場面があります。
フィルハンドルによる数式のコピー
同じ計算を下の行にも適用するときは、C2セルを選択してフィルハンドルを使います。
C2セル右下に表示される小さな四角を、C4セルまでドラッグします。
操作後のC3セルとC4セルには、それぞれ=SQRT(B3)、=SQRT(B4)が自動で入力されています。
オートフィルは数値だけを複製するのではなく、相対参照の数式を行ごとに調整してコピーします。
計算結果だけを貼り付けたい場合は、コピー後に値の貼り付けを使う必要があります。
通常のオートフィルでは元データが変わった際に結果も更新されるため、計算表として使うなら数式を残す方法が基本です。
【操作のポイント】数式をコピーした後は、最後の行を選択して数式バーを見て、参照先が同じ行のB列になっているか確認します。
絶対参照を含むルート計算
平方根の結果に一定の係数を掛ける場合は、絶対参照を使うと式をコピーしやすくなります。
たとえばE1セルに補正係数1.5を入力し、C2セルで平方根に係数を掛けるなら、=SQRT(B2)*$E$1と入力します。
この式を下方へコピーすると、B2だけがB3、B4へ変わり、補正係数のE1は固定されます。
絶対参照を使う入力例
=SQRT(B2)*$E$1
ドル記号を付けずに=SQRT(B2)*E1とした場合、下の行へコピーした際に参照先がE2、E3へずれてしまいます。
入力後にF4キーを押すと、選択中のセル参照を絶対参照へ切り替えられます。
F4キーを複数回押すと、列のみ固定、行のみ固定、固定なしの順で表示が変化します。
表を横方向と縦方向のどちらにもコピーする場合は、どの参照を固定するかを最初に整理することが重要です。
【操作のポイント】全行で共通の係数、税率、単位換算値を使うときは、係数セルを絶対参照にしてからオートフィルを実行します。
平方根の計算式で起こりやすいエラーと確認項目
続いては、SQRT関数を使った際に表示されやすいエラーと確認方法について解説していきます。
| A | B | C |
|---|---|---|
| 1 | 入力値 | SQRTの結果 |
| 2 | -25 | =SQRT(B2) |
| 3 | 文字列 | =SQRT(B3) |
負の数によるNUMエラー
実数の範囲では、負の数の平方根は通常の数値として扱えません。
そのため、B2セルに-25がある状態で=SQRT(B2)を入力すると、エクセルではNUMエラーが表示されます。
NUMエラーは、SQRT関数に負の値が渡されているときにまず確認したい表示です。
元のデータにマイナス値が含まれていても、その絶対値の平方根を求めたい場合はABS関数を組み合わせます。
絶対値の平方根を求める数式
=SQRT(ABS(B2))
この数式では、先にABS(B2)で符号を除いた数値を求め、その後にSQRT関数で平方根を計算します。
ただし、負の数が入力された事実自体を問題として扱うべき業務もあります。
意味を確認せずにABS関数でエラーを隠すのではなく、マイナスが許されるデータなのかを判断してから使いましょう。
【操作のポイント】NUMエラーが出たときは、対象セルの表示だけでなく、数式バーで参照している元データが負の値ではないかを確認します。
VALUEエラーと文字列データ
数値に見えても、セルの中身が文字列として保存されていると、計算が正常にできない場合があります。
たとえば、数値の前後に不要な空白がある、文字列として貼り付けられている、単位が同じセルに含まれているといった状態です。
このような値をSQRT関数に渡すと、VALUEエラーになることがあります。
元データが数値かどうかは、セルを選択したときの配置や、数式バーの内容から確認できます。
文字列を数値へ直すには、警告マークから数値に変換する方法、VALUE関数を使う方法、区切り位置機能を使う方法などがあります。
文字列を数値として扱う例
=SQRT(VALUE(B2))
ただしB2セルにkgやmなどの単位まで入力されている場合、VALUE関数だけでは対応できないことがあります。
計算用の列には数値だけを入力し、単位は見出しまたは別列で管理する構成が基本です。
たとえば見出しを面積平方メートルとし、セルには225だけを入力すると、計算式を単純に保てます。
【操作のポイント】数値と単位を同じセルへ入力しないようにすると、SQRT、SUM、AVERAGEなど他の関数でもエラーを減らせます。
IFERROR関数による表示の整え方
入力途中の空白や、未確認の負の値によるエラーを表に表示したくない場合は、IFERROR関数を利用できます。
エラー時に空白を表示する数式
=IFERROR(SQRT(B2),””)
この式はSQRT(B2)の計算が正常なら結果を表示し、エラーなら空白文字列を表示します。
エラーの理由を利用者に知らせたい場合は、空白の代わりに入力値を確認といった案内文を表示することもできます。
ただし、IFERROR関数を使うと、計算式の誤りや参照先の間違いまで見えなくなる可能性があります。
表を作成している段階ではエラーを隠さず、原因を解消した後にIFERROR関数を使うと安全です。
完成した入力フォームで、利用者が入力前のエラー表示を見ないようにする目的には有効です。
業務で共有するシートでは、空白表示にするか、入力内容を確認してくださいと表示するかを運用に合わせて決めましょう。
【操作のポイント】IFERROR関数は見た目を整えるための関数であり、元のエラー原因を自動的に直すものではありません。
平方根と二乗を使う実務向けの計算例
続いては、平方根と二乗を組み合わせて使う代表的な計算例を確認していきます。
| A | B | C | |
|---|---|---|---|
| 1 | 縦 | 横 | 対角線 |
| 2 | 3 | 4 | =SQRT(A2^2+B2^2) |
正方形の面積から一辺を求める計算
正方形の面積が分かっていて、一辺の長さを知りたい場合は平方根を使います。
面積がB2セルに入力されているなら、=SQRT(B2)で一辺の長さを計算できます。
面積が225平方メートルなら、計算結果は15メートルです。
面積から一辺を逆算する処理は、平方根を使う場面として特に分かりやすい例です。
単位は数式の中に含めず、見出しに面積平方メートル、一辺メートルのように記載すると表が整理されます。
小数の面積を扱う場合は、結果の小数点以下をどこまで表示するかもあらかじめ決めましょう。
建築、設計、梱包、土地面積の概算などでは、丸めによる差が影響する場合があります。
正方形の一辺を求める数式
=SQRT(B2)
【操作のポイント】面積の単位と一辺の単位が対応しているかを確認し、平方メートルとメートルのように列見出しで明示します。
直角三角形の斜辺を求める計算
直角三角形の二辺から斜辺を求める場合は、二乗と平方根を一つの数式に組み合わせます。
縦がA2、横がB2の場合の斜辺の数式
=SQRT(A2^2+B2^2)
縦が3、横が4なら、3の二乗と4の二乗を足した値は25です。
25の平方根は5なので、C2セルには5が表示されます。
式の中では二乗を先に計算し、加算した結果に対してSQRT関数を適用します。
括弧の位置を誤って=SQRT(A2^2)+B2^2のようにすると、異なる計算になります。
複数の演算を含む数式は、どの部分を平方根にするのかが分かるよう、SQRT関数の括弧内を確認しましょう。
距離計算、対角線の長さ、座標間の移動量などにも同じ考え方を応用できます。
【操作のポイント】平方根を取る対象となる加算全体を、SQRT関数の丸括弧の中へ必ず入れます。
平均との差と標準偏差の確認
データ分析では、平均との差を二乗してから集計し、最後に平方根を取る考え方が使われます。
これは値のばらつきを測る標準偏差の計算に関係する仕組みです。
エクセルには標準偏差を直接求めるSTDEV.S関数やSTDEV.P関数が用意されているため、通常はそれらの関数を利用できます。
一方で、計算の意味を理解するために、平均との差の二乗を列ごとに計算する表を作ることも有効です。
たとえばB2セルの値から平均値を引き、その差を二乗するなら=(B2-$F$1)^2のように入力します。
F1セルにはAVERAGE関数で求めた平均値を置き、絶対参照にして下へコピーします。
差をそのまま合計すると正と負が打ち消し合うため、ばらつきの計算では二乗が使われます。
二乗した差を合計または平均した後、平方根を取ることで、元データと同じ単位に近い形へ戻せます。
【操作のポイント】統計計算を手作業で組み立てる場合は、平均値のセルを絶対参照にし、二乗する対象が平均との差になっているかを確認します。
まとめ エクセルで二乗・平方根を計算する方法
エクセルでルートを計算する基本は、SQRT関数を使う方法です。
B2セルの平方根を求める数式は、=SQRT(B2)となります。
二乗を計算したい場合は、=B2^2と入力すると、元の数を二回掛けた結果を求められます。
指数をセルで管理したい場合や、数式の意味を明確にしたい場合には、=POWER(B2,2)も利用できます。
平方根の式を複数行へ適用するときは、2行目に数式を入力してからフィルハンドルでオートフィルする流れが便利です。
負の数をSQRT関数に渡すとNUMエラーになるため、入力値や計算の目的を確認しましょう。
文字列として保存された数値や、単位を含むセルもエラーの原因になり得ます。
平方根の結果に小数が出ることは自然なことであり、必要に応じて表示形式またはROUND関数で桁数を整えます。
面積から一辺を求める逆算、対角線の距離計算、標準偏差の理解など、平方根と二乗は多くの表計算で活用できます。
数式バーで参照先を確認しながら、データの意味に合った計算式を作成していきましょう。